夢診断のお店indxお伽話の分析いばら姫(眠れる森の美女)

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ユング心理学による夢診断のお店-03
-いばら姫(眠れる森の美女)-

むかしむかし、あるところに、王様とお妃さきさまがありました。
ふたりは毎日のように、「ああ、子供が一人あったらいいのに」と言いながら、授からずにすごしておりました。
ところが、ある日のこと、お妃さまが水浴びをしていると、一匹のカエルがのそのそと水から這い上がってきて、こう告げました。
「あなたの願いは叶えられます。一年たたないうちに、お姫さまが一人、授けられますからね」
カエルの言ったとおりになりました。
お妃さまは女の子を産みましたが、それはそれは綺麗なお姫さまで、さっそくにぎやかなお祝いの宴が開かれることになりました。お客としてまぬかれたのは親戚や友だちや知りあいばかりではなく、賢い仙女たちまでいました。仙女たちがこの子をやさしくいつくしんでくれるように、と思うのでした。

さて、この国には仙女が13人おりましたが、たまたま王様の手元には、金の皿が12枚しかなかったので、そのうちの一人はお招きを受けぬことになってしまいました。お祝いの宴はそれはそれはさかんなものでしたが、さていよいよおひらきと言うときになって、仙女たちはそれぞれお姫さまに魔法の贈り物を授けてくれました。1人は得を、もう1人は美しさを、3番めは富を、というぐあいに、およそ世の人々の望みを求めるものが、残らず受けられるのでした。
ところが、11番めの仙女までが約束をすませたとき、ふいに13人めの仙女が入ってきました。この女は、自分が仲間はずれにされたことを仕返しをするつもりでしたので、だれにも挨拶ひとつせず、大声で申しました。
「お姫さまは15のときにむつに刺されて、倒れてお亡くなりになるでしょうよ」
そして、それっきりふっつり黙り込み、くるりと回れ右をすると、広間をでていってしまったのです。
人々は震え上がりました。と、そこに12人めの仙女が進み出ました。この人はまだ自分の贈り物をすませておりませんでしたので、お姫さまに魔法のお祈りをささげ、呪いを完全に解くことはできず、せいぜい軽くすることしかできませんでした。
「お姫さまは本当に死ぬのではありません。100年のあいだ、ぐっすりと眠り込んでおいでになることでしょう」
王様は、可愛いわが子を不幸な目にあわせてなるものかと、国中におふれを出して、国中のつむというつむを、残らず焼き捨ててしまうように命じました。お姫さまはお姫さまで、仙女たちから授かったものをすべて身にそなえ、ほんとうにきれいで、しとやかで、やさしく賢い娘になりました。だれでもお姫さまを見れば、たちまち好きになってしまうほどでした。
やがて、お姫さまがちょうど15歳になった日のことです。
たまたまその日は、王様もお妃さまもお出かけになってしまい、お城にはお姫さまがひとりぼっちで取り残されてしまいました。そこでお姫さまは気の向くままにあの部屋この部屋とそこらじゅうを見て歩き、しまいにはとうとう、とある古い塔のところまでやってきました。
狭い螺旋階段をのぼっていくと、小さなドアの前に出ました。錠前にはさびたカギがささっています。その鍵を回すと、ドアがぱっと開き、中の小さな部屋には、おばあさんが一人、つむを手にして座り、せっせと麻糸をつむいでいました。
「こんにちはお婆さん。なにしてらっしゃるの?
「糸をつむいでるんですよ」
「そのおもしろそうに飛び跳ねているものは、なに?」
お姫さまはそういいながら、つむを手にとって、自分もつむを糸をつむいでみようとしました。ところが、つむに触ったとたん、あの魔法の呪いがほんものとなり、お姫さまは、自分の指をさしてしまったのです。
「痛いっ」と思った瞬間、お姫さまはもう、そこにあったベッドに倒れこみ、こんこんと深い眠りにはいってしまいました。
そしてその眠りは、お城全体に広がってゆきました。王様とお妃さまは、いま帰りついて大広間へ入ってきたところでしたが、そのままぐうぐう眠りだしました。王様の家来たちもみんないっしょに眠りはじめました。馬は馬小屋で、犬は中庭で、ハトは屋根の上で、ハエは壁に止まったまま眠ってしまったのです。かまどでパチパチいっていた火だってシュンと眠りこみ、焼き肉もジュージューいわなくなり、風もしずまり、お城の前の木たちも、葉っぱひとつ動かなくなりました。
それにひきかえ、お城のまわりでは、いばらの垣が茂り始めました。
一年ごとにいばらはぐんぐんと伸びて、しまいにはお城全体を取り囲み、伸び上がって、お城をすっぽり覆い隠し、とうとう見えないほどになってしまいました。屋根の上の旗さえ隠れてしまうほどでした。
眠っている美しいいばら姫のうわさは、国中に広まりました。いばら姫とは、このお姫さまにつけられた名前でしたが、ときどき、そのうわさを聞きつけた王子たちがやってきて、いばらを切り開いてお城に入り込もうとしましたが、無駄なことでした。いばらはまるで手でもあるかのように、若者たちはその場で取り押さえられ、二度とふたたび抜け出せなくなり、あえない最期をとげるのでした。
それから何年も何年も過ぎてから、またもや一人の王様がこの国へやってきて、ある年寄りからこのいばら姫の話を聞かされました。それによると、いばらの垣のなかにはお城があって、いばら姫と呼ばれるすばらしく美しいお姫さまが百年のあいだ眠り続けているとのことでした。
「ぼくはなにひとつ怖くない。そこに行ってその美しいいばら姫にあってみよう」
お年よりは、いままでに大勢の王子たちがそのいばらにひっかかり、いたましい死にかたをしてきたことを知っていたので、なんとか止めようとしましたが、王子はいっさい聞き入れませんでした。けれども、このときちょうど百年の月日が過ぎ去り、いばら姫はふたたび目を覚ます日が来ていたのです。
王子様がいばらの垣に近づきますと、垣は一面に美しい大きな花でおおわれていましたが、それがひとりでに左右にわかれ、かすり傷ひとつ負わずに王子様を中に通してくれたかと思うと、あとはまた元のようにピッタリとふさがってしまいました。
お城の中庭まできてみますと、馬や猟犬が横になって眠っていました。屋根にはハトが止まっていて、小さな頭を羽に突っ込んで眠っていました。城の中に入ってみますと、壁にはハエが、台所では女中が眠っていました。上手の玉座では王様とお妃さまが横になっていました。王子様はさらにおくへおくへと進みましたが、あたりは静まりかえっていて、自分の息まで聞き取れるほどでした。
とうとう塔まで行き着いて、いばら姫の眠っている小さな部屋のドアを開けました。
いばら姫はそこに眠っておりましたが、その美しいことといったら、目をそらすことすらできません。王子様はかがみこんで姫にキスをしました。そのキスがいばら姫に触れたとたん、姫はパッチリと目を開けてわれにかえり、しんからなつかしそうに王子を見つめたのです。
そしてふたりは一緒に塔をおりていきました。
するとまず王様が目を覚まし、お妃さま、家来たちもみんな目を覚ましまして、きょとんとした顔をしてお互いの顔を見合わせました。中庭では馬が立ち上がり、ブルブルっと身を震わせました。犬たちは飛び跳ね、尻尾を振りました。屋根ではハトが羽から首を出し、あたりを見渡すと、野原のほうへ飛んでゆきました。壁に止まっていたハエは、また這い出しました。台所の火も燃え上がって、チョロチョロと燃え立ち、煮たきを始めました。焼肉はまたジュージューといいはじめました。女中は女中で鶏の羽をきれいにむしりとり終えました。
やがて、王子様といばら姫とのご婚礼が、それはそれはりっぱにとりおこなわれました。そうしてふたりは、さいごまで幸せに暮らしました。

〜完〜

ユング心理学による夢診断のお店-03

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