意識 conscious
外界で起こっていることや心の中のできごとに気づいている、ということ。
無意識を見えない闇の領域とすると、意識は光の当たる明るい領域。
イメージ image
ユング心理学では、人が心の中に抱く心像のことをいう。外的な模像という意味は薄く、
外的事実とは間接的な関係しか持ちません。
ユング派に特徴的な夢分析の技法で、例えば、
「夢に出てきたAについて、できるだけ多くの連想を」と聞き出し、
神話や昔話のモチーフを導入して、夢のイメージを膨らませていく作業のこと。
ここで大切なのは、A→B→C→Dと連想を追うのではなく、
「Aについて他に思いつくことはありませんか?」とイメージの輪を広げていくことです。
客体水準 objective level
夢を分析するとき、客体の水準から解釈すること。
たとえば夢に友達が出てきたときなどに、それは、夢を見た人自身の内部にある、なんらかの心の要因を
表していると解釈するのではなく、その夢は、その友だちそのものについて語っていることとして考えること。
夢を分析するさいに主体水準か客体水準か、その両方の要素があるかを考えなければなりませんが、
多くの場合、主体水準で解釈していきます。
元型 archetype
心の中で受け継がれ、本能とかかわる行動を構造化するための『型』のこと。
例えば、渡り鳥はだれに教わるわけでもなく、海を越えて、飛ぶ方向を間違えることなく、
ちゃんと目的地の国にたどり着くことができます。それはほとんど遺伝的に生まれつき持ち備えた行動で、
渡り鳥の行動パターンは本能によって決まっていますが、これは人間の元型の場合も似たようなことが言えます。
ユング博士は各国にあるたくさんの昔話や夢、患者が見た幻覚などを調べると、
そこには幾つかの基本的な行動パターンがあることに気付きました。それは、人種や時代に関係なく、
人類普遍の行動パターンで、その物語を構築する表象可能性として元型という仮説概念を考えました。
元型は生命力に満ちた色濃いイメージによって彩られています。
元型派 ユング博士の没後、ユング派の心理療法は現在に至るまでに、大きくわけて三つの学派に分かれ、その中のひとつ。
元型派は、古典派のように神話やおとぎ話しを古典的な解釈によって夢に当てはめて考えようとはせずに、
元型からなるイメージそのものを大切にします。夢のなかに表れたイメージそのものが大切なのであり、
純粋に夢のイメージと遊ぶような態度で接していくのが特徴です。
個性化 individuation
個人が、本来あるべき自分自身になること。個人が集団とは異なる一人の存在として、
内在する可能性を実現し、自我を高次の全体性へ志向すること。人格の発達を目標とし、意識の領域を拡大して
精神生活を豊かにすること。
古典派
ユング博士の没後、ユング派の心理療法は現在に至るまでに、大きくわけて三つの学派に分かれ、その中のひとつ。
古典派は、夢のテーマと神話やおとぎ話し、昔話などのテーマの共通点を探り、
その古典的な分析を参考にして夢を解釈していきます。
古典派の心理療法は、来談者の夢を数年という長期にわたって分析し続け、夢のテーマやモチーフの中から
昔話などの共通点を探すことに重点が置かれています。
コンプレックス complex
自我体系を脅かすもの。複雑に絡み合ったイメージや観念、感情の複合体のこと。コンプレックスは、
元型の周囲に一群となっています。
自我 ego
意識活動の中心的な働き。人格(基本的な行動パターン)の維持、
時間的連続性、認識、現実検討、など自我にかかわり、わたし達はこの自我の巧みな働きによって、
その人にとって纏りのある正しい行動を取ることができます。
集合的無意識 collective unconscious
普遍的無意識とも訳されるユング博士による仮説概念。集合的無意識は、個人的に獲得されたものではなく、
原初的で全人類に共有されていて、意識的な経験に依存せずにイメージを作り出すことができます。
これが夢やファンタジーの創造的な経験の素材となります。
集合的無意識は全人類の『型』のうえで類似していて、歴史の上で人類が常にテーマとしてきたものにかかわっています。
例えば、善と悪、力、性別、性(誕生)と死など。
そしてそのイメージは、元型にまとめられています。
主体水準 subjective level
夢を分析するとき、夢にでてきたものを、「それは、それそのものを表している」と
解釈するのではなく、それは夢を見た人のなかにある、なんらかの要素が具象化されるような特性をもっているというような
解釈をすること。
夢を分析するさいに主体水準か客体水準か、その両方の要素があるかを考えなければなりませんが、
多くは主体水準である場合が大半です。
象徴 symbol
抽象的なことなどを、具体的な事例で表現すること。また、表現したもの。
ユングによる象徴の定義は、「選ばれた表現が、あまり知られていない事実を可能な限り描写する、あるいは定式化する、
という事実を前提とする」
つまり、象徴とは、「いまのところ、これ以上の良い表現が他にはない」という直感的な表現のことです。
発達派
ユング博士の没後、ユング派の心理療法は現在に至るまでに大きくわけて三つの学派に分かれ、
その中のひとつ。発達派はロンドンを中心に活躍し、人格の発達には幼児期の重要性を強調しているなど、
フロイト派の精神分析に近い考えを持っています。
心像 image
心に浮かぶイメージ像のこと。想像による場合と記憶による場合とがあり、感覚的で具体的な
性質があります。
表象 representation
経験してきたことや実際の事像などが、心像や観念・知識となって内化されたもの。
またそれの操作のこと。
表象とは、なんらかのかたちで対象の性質が抽象化して一般化され、類似の実像郡や経験郡を代表させる働きをもちます。
そして、表象相互に結びついたシステムとして、行動への準備体制をつくっていくという点に特徴があります。
補償作用 compensation action
ユング博士の中核的な考えで、意識の態度があまりにも一面的となると、無意識によってそれを補う態度が生じること。
マンダラ 曼荼羅
円と四分割を基本形として描かれた図のこと。ユング心理学では、
精神的な変容過程によって自然に
生じてくる心の図像表現。
無意識 unconscious
ある時点で、意識的に気づくことのできない心的内容を表す形容詞。
無意識の内容は、夢や錯誤行為、脈絡のない思考や結論などの中に示されます。
心は常に活動しており、起きているときも眠っているときも色々な機能が働いていますが、その時その時で
意識されるのはほんの一部に過ぎません。
無意識は、自我が近寄れない心の内容であって、それ自身の特徴、法則、機能を兼ね備えています。
夢 dream
無意識内の現実的状況を、象徴の形式で自発的に自己描写したもの。
象徴によって、心的過程を描写したもので、夢と意識の関係は、根本的には補償作用の関係にあります。